公益社団法人 愛媛県看護協会

看護の知恵袋 感染対策のツボ

【Vol.155夏号】食中毒予防

食中毒は飲食店や家庭内だけでなく、医療・介護・福祉施設内でも発生・拡大する可能性があります。その原因は調理部門や病原菌を排出する患者、施設利用者、職員かもしれません。食中毒を予防するために原因と対策を理解しておきましょう。

【ツボ1】食中毒の原因

食中毒は、原因物質である微生物(細菌性、ウイルス性、寄生虫)、化学物質(農薬、重金属)、自然毒(フグ毒、毒キノコ)などが付着した食品を摂取することで腹痛、下痢、嘔吐、発熱などの症状を伴います。なかでも下記のような細菌性食中毒の発生件数がもっとも多く、気温の高い夏は要注意となります。

食中毒細菌名 特徴 (数字は摂食から発症までの時間)
腸管出血性大腸菌
(O-157)
少量の菌でも感染する。過去には焼肉店での集団食中毒事例も。食後12~60時間。
カンピロバクター 加熱不十分な鶏肉や鶏の刺身などを摂食し発症することが多い。食後2~7日間。
サルモネラ属菌 生卵、オムレツ、肉のたたきなどが原因として多い。犬・猫・カメからの感染事例も。食後6~48時間。
腸炎ビブリオ 塩分のあるところで増える菌。魚介類の刺身や寿司、加工食品が原因に。真水に弱い。食後4~96時間。
ウェルシュ菌 大量のカレーを調理し、加熱と冷蔵を繰り返す中で増殖する。芽胞菌のため加熱に強い。食後6~18時間。
黄色ブドウ球菌 ヒトの皮膚や鼻腔、傷に生息。傷のある手で作ったおにぎりや弁当が原因に。食後30分~6時間。

【ツボ2】食中毒予防の3原則

つけない ふやさない やっつける
手には食中毒菌が付着しているかもしれません。調理前や生の食肉を取り扱う前後、トイレの後、食事の前には必ず手を洗いましょう。また、生の肉や魚を切った包丁やまな板から加熱しないで食べる野菜などへ菌が付着しないようその都度きれいに洗いましょう。 食品に付着した菌を増やさないために、購入後はできるだけ早く冷蔵庫に入れましょう。ただし、冷蔵庫内でも菌はゆっくり増殖しますのではやめに食べることが大事です。 ほとんどの菌は加熱によって死滅します。特に肉料理は中心までよく加熱することが大事です(目安は中心部を75°Cで1分間以上加熱)。

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【つけない!増やさない!やっつける!家族と自分を食中毒から守る予防法】

【ツボ3】施設内での感染対策

vol155_01.jpg医療・介護・福祉施設内では、病原菌を含む嘔吐物や汚物に触れた手指、またはそれらにより汚染したトイレやドアノブ、ベッド柵などといった環境から感染が拡大することもあります。手指衛生は当然のことながら、症状のある患者に使用した物品の消毒や周囲の環境清掃、必要に応じてトイレ付個室への移動を検討してください。(写真は、ドアノブに付いた病原菌を蛍光塗料で表現したもの)

また、施設内で食中毒の発生、件数の増加がみられた場合は最寄りの保健所へご相談下さい。

(編集:東予感染管理サークル)

東予感染管理サークル(Toyo Infection Control Circle:TICC)は、地域の保健医療福祉施設における感染管理教育の支援を目的として、東予地域に在籍する有志の感染管理認定看護師によって感染対策セミナーを中心とした活動を行っています。

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