そのダブルチェック、大丈夫?
医療安全対策として、よく耳にするものの一つに「ダブルチェック」があります。
しかし、ダブルチェックしているはずの作業でインシデントが再発している事例がないでしょうか。
2人ですればダブルチェックではありません。いくら2人でしてもシングルチェックになっていることが多いのです。正しいダブルチェックとは何かもう一度考えて見ましょう。
ダブルチェック機能が低下する問題点
1つ目は2人で確認作業をすると「ベテランの人が見てくれたから大丈夫だろう」といった相手への依存や思い込みがでてしまう事です。ダブルチェックを行う2人は、依存心なくお互い独立して確認をしなければなりません。
2つ目はダブルチェックを実施する看護師がチェックするだけの能力を持ち合わせているかどうかということです。「なぜ?」「何のために?」とチェック項目やチェックすることの意味を考え、充分理解して実施しないとその有用性は低くなります。
ダブルチェックの方法
1人で行う方法
- 1人連続型・・・1人が連続して確認する。
- 1人時間差型・・・1人が1回目と2回目の確認作業の間に時間を空ける。
- 1人双方向型・・・1人が1回目と2回目で確認する方向を逆にする。
2人で行う方法(内服編)
どの方法を選択するか
- 周囲にスタッフがいない(夜間)
- 周囲のスタッフが多忙
- ハイリスク薬・麻薬以外
⇒1人連続型
【自信がなければ2人連続型で実施する】
- リスク重視(薬剤投与、安全管理)
⇒2人連続型
⇒2人同時双方向型
【経験年数が2年目以下同士で行わない】
作業に合わせてチェック方法を変えていくことがミスをなくすことへの一歩となります。個々の病院、施設に応じた業務で院内統一を図りましょう。
(文責 大河美由紀)