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感染対策のツボ:発熱外来事例から学ぶ、新型コロナウイルス感染症対策

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看護の知恵袋:感染対策のツボ発熱外来事例から学ぶ、新型コロナウイルス感染症対策

【Vol.170春号】2022年5月17日

新型コロナウイルス感染症診療の一部として、各医療機関では発熱外来を設置し、発熱者や有症者のトリアージにあたっています。今回は、発熱外来で陽性者と診断された患者さんの聞き取りから、感染の原因と推測される行動を紹介します。家庭や職場へ持ち込まないための参考にしてください。

【ケース1】県外への移動歴、県外人との接触歴

愛媛県内での陽性者数が少ない時期は、仕事や旅行にともなう県外への移動後に発症する割合が多い傾向にあります。感染対策を正しく行っていない場合や、移動先での会食が感染の機会となっているようです。また、お盆や正月の時期に、帰省者との接触後に発症した事例も多くあります。

【ケース2】職場の喫煙所や休憩室などでのマスクなし会話

感染者が増加すると、職場クラスターが複数発生し社会活動に支障をきたすようになります。聞き取りからは、仕事中はマスクを着用していますが、喫煙所でマスクなしの会話をして感染した事例があります。同様に、休憩室や更衣室、食堂など、場所や環境の変化により気が緩むことで感染対策が十分ではなかったこともあります。

その他、発熱などの体調不良にもかかわらず数日勤務し、陽性者と判明したときにはすでに職場内で拡大していたこともあります。オミクロン株の感染やワクチン接種後は症状が軽微なこともあります。発熱がなくても症状があるときは、感染対策の徹底や職場の取り決めを遵守しましょう。

【ケース3】感染対策が十分ではない飲食店や施設の利用

一部の飲食店で、マスク着用、3密(密閉、密集、密接)対策が不十分なことで、従業員や利用者から複数の陽性者が発生した事例があります。また、長時間の接客対応時に、布マスクや鼻出しマスクで濃厚接触となった事例もありました。正しく感染対策が行えている店舗などの利用をおすすめします。

【ケース4】他世帯との食事

市中における流行がはじまると、他世帯との会食による感染事例が増加します。特に自宅での飲み会や、世帯を同じくしない父母・祖父母、親類との食事が多くなります。親しい間柄だと気が緩みがちですが、それぞれの生活背景や接触歴には不明な点が多くあるため、不要不急の食事は避けるとともに、食事中の黙食は基本です。

【ケース5】経路不明

市中感染が拡大すると、感染経路不明の事例が大半を占めます。「感染しないよう、ほとんど家から出ない」「スーパーで買い物するときしか外に出ない」「マスクをきちんとして物に触れるたび手の消毒をしている」といった方でも陽性者となることもあります。詳細な聞き取りができていないこともありますが、なんらかのかたちで陽性者やウイルスが付着したものとの接触があったのではと推測されます。買い物の際は、混雑する時間帯を避け、事前に購入するものを決めてお店での滞在時間を短くしましょう。また、まとめ買いをしてお店に行く頻度を減らしましょう。

感染する原因はいろいろありますが、共通することは感染対策が十分ではなかった可能性があります。
平時より手指衛生、マスク着用、3密回避をこころがけ、私たち自身と大切な人を守っていただきたいと思います。

(編集:東予感染管理サークル)

東予感染管理サークル(Toyo Infection Control Circle:TICC)は、地域の保健医療福祉施設における感染管理教育の支援を目的として、東予地域に在籍する有志の感染管理認定看護師によって感染対策セミナーを中心とした活動を行っています。

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